足まわり

Last Update on 2024/1/8





キビキビ動くクルマで走るのは、なんとも言えない気持ちよさがある。
その気持ちよさを決定付けるのは、いわゆる足周り。
バネ、ダンパー、スタビライザー、タイヤ....
その組み合わせ次第で、クルマの性格は大きく変化する。

足元がキマって、コーナリングスピードの上がったクルマには
それに見合った制動力が必要となる。
速く、そして何より安全に走るには良いブレーキが不可欠。

これらフットワーク系は、エンジンパワーを上回るポテンシャルを
備えておくべきだ!と思っています。
このコンセプトはER34時代から変えていません (^^)





サスペンション部です。上の写真がフロント、下のがリア。
ご存知の通り、前後共マルチリンク方式。
ストロークもたっぷりだし、ストロークしてもキャンバーの
変化が小さいのが特徴です。日産お得意の方式です。





サスペンションはPCR特注です。
スペックはこんな感じ。かなり珍しいと思います。

スプリング : BNR34純正
ダンパー内部構成部品 : BNR34純正
バルブ : Z34 フェアレディZ純正ダンパー流用
ゴム類 : 純正もしくはニスモ強化品
それ以外 : 全てPCRワンオフ製作品

車高調整範囲 : −50mm 〜 ±0mm (純正比)


足に求めるものは、街乗りでの乗り心地確保、
高速での安定感、ワインディングでの適度なスポーツ性です。
本気で攻めたりサーキッでタイム削るような走りは一切しませんので
そういった観点での性能は100%捨ててます。
PCRはそういった理想をじっくり聞いてくれて具現化してくれます。
たまたまPCRが近所にあった為、数ヶ月間かけて
幾度となく通ったり電話で話し合って検討し、
上記のような仕様になりました。





基本構成部品は純正ですが、
セット荷重 (プリロードとも言われますね) や
減衰力は純正とは全く異なります。

ダンパー内部部品の要であるバルブは、
トキコ製のデュアルフローパスバルブを使うために
わざわざZ34純正ダンパーも入手して流用。
スポーツ性を犠牲にせず乗り心地を確保できます。

スプリングは、フロントはV-spec用、リアは標準グレード用。
最初は前後とも V-spec用 で作りましたが (写真の状態)、
更なる乗り心地向上とリアの粘り向上のために
リアのスプリングを V-spec用から標準グレード用へ
交換してバネレートを落とし、その代わり
セット荷重を上げる、という仕様変更を実施致しました。





ケースは軽量のアルミ製で、超硬質ジュラルミン表面処理加工(TUF-P処理)
を施してあります。これはF1用部品や戦闘機に採用されている処理で、
耐摩耗性や耐腐食性が向上し、更には表面が非常に滑らかになります。
TUF-P処理はケース内部にも施してありますので
非常にフリクションが少なくスムーズにピストンストロークします。
随所に凄まじいこだわりを感じます。


ストリート仕様の為、単筒式ではなく複筒式です。
単筒式は微小なストロークにおいてもしっかりとした
減衰力を発生させますのでサーキット路面には
非常に相性は良いですが、反力が大きくなりがちで
乗り心地に対してはデメリットとなります。
これは構造上仕方のないこと。

私はサーキットは走りませんし、
しなやかにストロークしてしっかり路面に追従する、
ボディは上下動せずにタイヤだけが動くイメージ、
そんな足が好みですので複筒式に致しました。

スプリングに関しても、ストリート仕様にこだわり
直巻きではなく純正形状の意味を再認識して採用。





アッパーマウントはPCR自慢の超高精度ピロではなく、
ニスモの強化ゴムブッシュを使ったワンオフです。
私の好みを汲み取って下さり、とことんストリート仕様に徹して下さってます。
技術を押し付けるようなことはしない、それがPCRのやり方。
とっても好感持てます。





セット荷重を変えずに車高調整できるように全長調整式です。

PCRの設計思想は、バネレートが最初にはきません。
諸条件から厳密にセット荷重を求め、純正スプリングのような
低いレートのスプリングでもロール剛性などの性能を
確保できるようコントロールしてしるそうです。
よって、スプリングロアシートをわずか数mm動かすだけで
その性能が大きく変わってしまいます。
ですから、全長調整式機構は必須と言えます。


さてインプレですが、スポーツ走行まで想定したストリート用の
サスペンションとしてはこれ以上は望めないんじゃないか
っていう位に素晴らしいバランスで仕上がっております。

ER34時代は、付けていたインパルオーリンズをベースとして
PCRにてストリート向けに仕様変更してもらい乗っておりましたが、
非常にハイレベルで大変満足をしておりました。
周りの仲間を隣に乗せても、みんなから大絶賛されました。
それと比較しても、今回のは乗り心地は遥かに上をいきます。
特にマンホールや高速の継ぎ目は足だけが動いてくれます。
でも、路面の情報をスポイルしてしまっている訳ではありません。
情報はちゃんと伝えてくれてます。そのバランスが素晴らしい。
あくまでスポーティカーのまま、乗り味が非常に上質なんです。
速度を上げていくと更にしっとり感と落ち着き感が増してきます。

そんなイメージを持ちつつコーナーに突っ込むと
違和感を感じるくらいにロールが抑えられてます。
高いレートのバネやスタビを組んでいるかのようなロール剛性です。
高速のインターチェンジでの小さめのRのコーナー。
感覚的には車体はほぼ水平です。
明らかに純正バネのロール感ではありません。

高速では、今まで味わったことのないドッシリ感。
とにかくタイヤが路面を掴んで離しません。もちろん
ホイール等のバネ下重量との兼ね合いもあるでしょうけど
ER34時代のオーリンズでもこの感覚はありませんでした。
継ぎ目でも全く跳ねないし、突き上げという言葉とは無縁です。
Z34のデュアルフローパスバルブが効いてるんでしょう。
ボディが上下に動くような路面変化があっても、ボディが
下がるときはとても優しく受け止めてくれ、収まりも一発です。
最も重要視している高速でのGTとしての資質は満点です。

ワインディングでも、足が本当によく動いてくれるので
ちょっとくらい路面が荒れていてもボディが暴れない為に
不安感は全くなく、スムーズに駆け抜けられます。
自分の要望通り、弱アンダーでリアの安定感もバッチリ。

バネレートは低いですが、必要十分なセット荷重をかけてあり
腰砕け感は全くありません。しっかりと4輪に支えられている
という安心感があります。高速域からのフルブレーキングでも
フロントの沈み込みはかなり少なく、踏ん張ってくれます。
フロントへ大きく荷重が移っても破綻しない、
だから安心してブレーキを踏み込める。重要なことですよね。
そういうところまで考えてPCRでは設計、製作してくれます。


やっぱりPCRの足は素晴らしいです。
レベルの高い設計と、それを高精度に具現化する為の製作技術。
ただただ高精度部品を使うだけでは良い完成品は出来ません。
精度良く組み上げて初めて精度の高い完成品が生まれます。
PCRはそれらを確実に併せ持っています。





ホイールはWORKのマイスターM1。
18インチ 9J -2(マイナスオフセット!)
ビッグキャリパー対応のRディスクで、リムの深さはなんとか71mmを確保。

メッシュ、段リム、深リム。いやぁ、渋いっす♪

色はディスクがマットブラック、リムがマットブラックアルマイト、
インナーリムもブラック、ピアスボルトもブラック。
とことん渋くしたかったので真っ黒けです。





黒系のホイールだと足元締まりますね。





タイヤはミシュランのPS4S。
サイズは 245/40-18。純正サイズです。

タイヤ遍歴は
ヨコハマ アドバンスポーツ V103
ミシュラン パイロットスーパースポーツ
ミシュラン パイロットスポーツ3
ミシュラン パイロットスポーツ4

お分りのようにミシュランにハマっております(笑)
自分のイメージ、サスペンションに合うんでうよね。
実際、サスペンション作ってもらったPCRの社長からも
欧州系のタイヤが合うと。特にミシュランが合うと。
それにはちゃんと技術的根拠があります。タイヤも奥が深いです。

ちなみにミシュラン同士の比較ですが、
パイロットスーパースポーツはけっこう硬かったです。
サイドウォールは柔らかめに感じましたが
トレッドが硬いんです。首都高の継ぎ目とかキツかったです。
このタイヤって超高速域でのタイヤの膨れを防ぐために
ケブラーを使ってますが、硬さはそのせいかなと推測してます。

パイロットスポーツシリーズはその嫌な硬さがとれます。
絶対的なグリップ力は劣るんでしょうけど、トータルでは
自分の使い方ではパイロットスポーツの方が圧倒的に合ってます。
タイヤの色んな評価軸のバランスが良く、全て高いレベルです。

PS3とPS4の比較では、まずすぐ分かるのが転がり抵抗の差です。
新しい設計のPS4は燃費のことをかなり考えられてるのでしょう。

そして今回のPS4S。
パイロットスーパースポーツの後継モデルという認識なんですが
あの硬さはなく、とってもしなやかです。総じてPS4よりも良い印象。
巷での評判通り素晴らしいタイヤだと思います。





フロントブレーキ。
キャリパーはエンドレス 6POT、
ローターはエンドレス 355Φ です。
ローターのベルハウジングはタフラムコートを施してあり
相当な熱がかかっても安心です。

エンドレスの前はブレンボのF50を使ってました。
どうしてキャリパー交換したかと言いますと、、、
タイヤを245化したかった為です。
そして、なぜ245化したかったかと言いますと
・クルマの動きを軽くしたい(特にステアリングフィール)
・タイヤで車高を稼ぎたい
です。
前者に関しては本当に軽くなるのかは未知数でしたが、
ずっと265や275でしたので試してみたかったのです。
私はサーキットでタイムアタックしている訳ではないので
245くらいでも問題無いのでは?むしろ合うのでは?
という自問自答の結論でした。
後者に関しては、マフラーの中間タイコが毎回車検時に数mm足りず
苦労していたので、タイヤ大径化で車高を稼げたらという考えです。
(265/35R18 → 245/40R18で車高約5mmアップ)
足りない車高は車高調で上げればという話もありますが
安易にそれはやりたくなく(笑)

タイヤ245化に際してホイールをどうするか、あれこれ悩みました。
まず、現状の9.5Jのままにするか、9Jや8.5Jにするか。
過去の経験から、タイヤを引っ張ると乗り心地(ダンピング性能)
が落ちるのが分かっていたのでそれは避けたいなという思いがあり、
ホイール交換を決意。
しかし9Jや8.5JはBNR34に履かせるとなると良いオフセットのが
本当に無くて、、、更にはキャリパーの逃げまでとなると
選択肢はめちゃくちゃ少なくなりますね。
ワイトレ策なども含めて多くの選択肢を1年ほどかけて調べたり
検討しましたが、最終的にはWORKのマイスターM1にしました。
しかし、このマイスターM1もキャリパーの逃げが厳しく、
そこそこの深リムを狙うとブレンボF50キャリパーでは
逃げが1mmあるかないかという状況。(紙型を使って確認)
ブレンボF50もメンテナンスの必要性があったこともあり、
いっそのことキャリパーの小型化を狙ってキャリパー交換
してしまおうかと調べたところ、エンドレス製6POTが
マイスターM1に対して2.7mm(ディスク側)、5mm(リム側)
という絶妙なクリアランスであるとことが分かり、交換を決意!
ディスク側は最低3mmが推奨されているのでできれば確保したいな
と思っていたところ、キャリパーのENDLESSロゴを標準の立体文字から
彫り文字に変更することで更に約1mm稼げることが分かり、
彫り文字仕様にすることで万事OKとなりました。

ちなみに、ブレンボF50よりもエンドレス6POTの方が
明らかにコントロールしやすいです。
ブレーキペダルのストロークを有効に使えている感じです。
これが4POTと6POTの差なんでしょうか。
思わぬ形でブレーキがグレードアップすることになりましたが
とっても満足しております。





そしてそして、タイヤの245化は大正解!!
今まで感じていたネガがほとんど解消されました。具体的には
コーナリングでの身のこなしの軽やかさアップ、
ワンダリング(轍でのハンドルのとられやすさ)の大幅な改善、
不必要なハンドルの重さ(パワステへの負担)の解消。
やっぱり自分の乗り方では245で十分かなと感じております。
もちろんタイヤ外径アップ分の車高アップも実現。





キャリパーの色はモノブロックグレー(耐熱塗装)。
ロゴは彫り加工してもらいました。字体はいわゆる旧ロゴです。

パッドはエンドレス CC-Rg(2017年モデルチェンジ後)です。
パッドの特性は踏力に対してとてもリニアで扱いやすいです。
特に初期の特性が秀逸でストレスなくコントロール出来ます。
初期がマイルドでリニアなパッドに
大径ローターの組み合わせが理想だったのですが、
かなり理想的になりました。





事前にキャリパーの図面を入手しホイールメーカーに送ってクリアランスを確認。
スペーサー無しでギリギリを狙いました!カッコいい!(笑)





ホイール開口面が狭いのでブレーキが目一杯で迫力満点!
昔、サーキットで見たレーシングカーがこんな感じの足元で。
ホイールの中がブレーキで一杯ですごい迫力だなーって思ったんですよね。
今回はその憧れを叶えてみました(笑)





リアブレーキもエンドレス。
キャリパーは 4POT、ローターはエンドレス 332Φ です。
フロント同様ローターのベルハウジングはタフラムコートVer.、パッドは CC-Rg です。





ニスモのパフォーマンスダンパーです。
ER34時代からチューニングの目標の1つに ”しなやかさ”
を挙げてきまして、このパーツは非常に興味津々でした。
BNR34はニスモから発売されてますので迷わず導入。

取り付けは馴染みの店でリフト借りて自分で実施。
けっこう簡単。1時間半で終わりました。

フロントの取り付け位置は、インタークーラー下。
ディフューザーを外して取り付けです。
ちなみに純正インタークーラー用ブラケットに共締めするので
社外インタークーラーに換えてるとそのままじゃ付かない場合もあるらしいです。

リアは、ストラット間の補強パーツに対して平行に取り付けます。
トランク内張りさえ外せばあとは余裕です。

購入前、ネット等で色々とインプレを調べてきましたが
「そんなに大げさには変わらないでしょ」 と思ってきました。
が、取り付けて街乗りしてるだけで効果はすぐに分かりました。
「ほんとスムーズになってる!嫌な振動が減ってる!」
明らかにゴツゴツ感が減り、路面をたしなめていくっていう印象。
路面の継ぎ目や荒れているところでの音も減っています。

高速でもワインディングでも、取り付け前と比較して
挙動の安定感が確実に増しています。
よく 「部品代が高い!」 って言われますけど
個人的にはそれに見合った効果を感じられました。

どちらかと言えば ガシ! というより ヌメ〜 って方向性に
なりますので、好き嫌いは分かれるかもしれませんね。
ニスモは 「ボディ補強しつつ装着しても効果はある」
と言ってましたので、組み合わせ次第かもですけど。。。





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